「うちの子猫、水をやたらと飲むけど大丈夫?」「逆に、まったく飲まないのは平気なの?」
そんな不安を感じたことはありませんか?
子猫の水の飲み方には個体差があるとはいえ、飲みすぎや飲まなすぎは健康状態のサインである可能性もあります。とくに初めて猫を飼う方にとっては、どれくらいの水分を摂取するのが正常なのか判断しづらいものです。
この記事では、子猫の水分摂取に関する正しい知識をわかりやすく解説します。獣医師監修の情報や信頼できるペット関連メディアの知見をもとに、水の摂取量の目安、異常の見極め方、病気の可能性、そして飲ませ方の工夫まで丁寧にまとめています。
「うちの子は大丈夫?」と感じた今が、健康チェックの良いタイミングです。ぜひ最後までお読みいただき、大切な子猫の健康管理にお役立てください。
水をよく飲む子猫は異常?正常な飲水量とは

子猫は成猫よりも水を多く飲む傾向がある
一般的に猫はあまり水を飲まない動物ですが、子猫に限っては例外です。成長期にある子猫は新陳代謝が活発で、運動量や排泄量も多いため、水分を多く必要とします。
子猫の1日の水分摂取量(目安)
複数の獣医師監修サイトによると、子猫の1日に必要な水分量は体重100gあたり13〜22ml程度とされています。例えば以下のようになります。
月齢 | 体重(目安) | 必要水分量(目安) |
---|---|---|
2ヶ月 | 約1.0kg | 130〜220ml |
3ヶ月 | 約1.5kg | 195〜330ml |
6ヶ月 | 約3.0kg | 390〜660ml |
ここでの「水分量」は飲水だけでなく食事から摂る水分も含みます。ウェットフードには80%近くの水分が含まれているため、水の摂取が少なくても水分は足りている場合もあります。
飲水量が多すぎると疑う基準
獣医師によれば、体重1kgあたり1日50mlを大きく超えるようであれば異常の可能性を疑うべきとされています。例えば1.5kgの子猫であれば、1日75ml程度が基準で、それを大幅に超えていれば注意が必要です。
逆に飲まない子猫は異常?脱水のリスクとチェック方法

子猫が水を飲まない理由とは?
子猫が水を飲まないからといって、すぐに異常とは限りません。以下のような理由が考えられます。
- 離乳直後で、まだミルクから十分な水分を摂っている
- ウェットフード中心の食事で、水分が足りている
- 器や水の温度、場所が気に入らない
- ストレスや環境の変化
子猫が水を飲まないことで起こるリスク
水分摂取量が不足すると、下部尿路疾患、尿路結石、便秘、脱水症などのリスクが高まります。特に子猫は体の大部分が水分で構成されているため、10%程度の水分喪失でも命にかかわる危険性があると言われています。
脱水症のチェックポイント
次のような症状が見られたら、脱水の可能性があります。
- 皮膚を引っ張って戻りが遅い(ツルゴールの低下)
- 口腔内が乾いている
- 食欲不振や無気力
- 尿量が少ない、または濃い色をしている
これらの症状がある場合は、すぐに動物病院に相談することが重要です。
病気の可能性と対処法

水をたくさん飲むときに疑われる病気
- 慢性腎不全
初期症状として多飲多尿が見られます。特に高齢猫に多いが、若い猫でも先天的な異常で発症することがあります。 - 糖尿病
飲水量と尿量が増え、食欲はあるのに体重が減ることが特徴です。 - 甲状腺機能亢進症
新陳代謝が過剰になるため、食べても痩せる、攻撃的になるなどの行動変化が見られます。 - 子宮蓄膿症(メス猫)
陰部から膿が出る、元気がない、嘔吐などの症状があり、水をよく飲むようになります。 - その他の内臓疾患(肝臓・膵臓・腫瘍など)
多飲が初期サインとなることがあります。
対処法
- 飲水量を毎日測定し、増減を記録する
- ウェットフードを使用している場合は食事からの水分量も把握
- 急激な増加、他の症状(嘔吐、下痢、体重減少)があればすぐに受診
- 心配な場合は、血液検査で異常がないかを確認するのが最も確実です
子猫に水を飲ませる適切な方法

飲まない子におすすめの飲水対策
- 水を複数の場所に設置する
猫は縄張り意識が強く、同じ場所にしか水がないと飲まないことがあります。 - 好みの容器を見つける
陶器、ガラス、ステンレスなど、素材によって好みが分かれます。 - 水の温度を調整
人肌程度(36~38℃)に温めると飲むことがあります。 - 水にミルクやスープを混ぜる
味付きの水にすると飲むようになる子もいます。 - スポイトや哺乳瓶で与える
離乳前後の子猫には、直接口に運ぶ方法が有効です。 - フードで水分補給
ドライフードにぬるま湯をかけたり、ウェットフードに切り替えることで摂取量を確保できます。
まとめ:子猫の水分管理は“毎日の観察”がカギ
「水をよく飲む子猫は異常?逆に飲まない子も異常?」という疑問への答えは、「状況と数値に応じて見極めることが重要」という点に尽きます。
子猫は成猫よりも水分が必要で、よく飲むこと自体は珍しいことではありません。ただし、体重当たりの基準値を超えていたり、他の症状を伴っている場合は、早めに動物病院で検査を受けるべきです。
逆に飲まない場合も、放置せず環境や与え方を工夫してあげることで改善することが多いです。猫の飲水習慣は、将来的な健康状態に大きく影響します。子猫のうちから正しい水分管理を行い、元気に成長できるようサポートしてあげましょう。

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