猫が急にピクピクとお腹を震わせるような動きをしたら、それは「しゃっくり」かもしれません。人間にもよくあるしゃっくりですが、猫に起こると驚いてしまいますよね。「ねこのしゃっくりの止め方」というキーワードでこの記事に辿り着いた方のために、原因・対処法・病院に行くべきサインまで解説します。
猫のしゃっくりとは?見分け方を知ろう
猫のしゃっくりは、一般的に「ヒック」といった音は出ず、お腹や体が小刻みにピクッと動くだけ。特に子猫や若い猫に多く、成猫では稀です。咳やくしゃみ、毛玉を吐こうとする動きと間違えやすいため、観察が大切です。

見分けのポイント:
- 咳:喉を伸ばし「ケホッ」などの音が出る
- くしゃみ:顔を大きく振って「クシュッ!」と音が出る
- 嘔吐:口を開け、苦しそうに体を丸める
ねこ しゃっくり 止め方|まずは落ち着いて様子を見よう
猫のしゃっくりは、多くの場合自然に止まります。しかし、飼い主として何かしてあげたい場合は以下の方法を試してみてください。
1. 水を飲ませてあげる
猫がしゃっくりをしているとき、水を少量飲ませることで、横隔膜への刺激が和らぎ、しゃっくりが止まる場合があります。
- 水は**常温(室温程度)**のものを与えるのがベスト。冷たい水は逆に刺激になってしまうことがあるため避けましょう。
- しゃっくり中は興奮していることもあるので、静かな場所に水皿を置いてそっと促すのがコツです。
- 水を飲まないときは、指先に水をつけて口元にそっと運ぶ方法や、シリンジ(注射器)などを使って少量与えるのもよいでしょう(※無理強いはNG)。
2. 胸のあたりをやさしくマッサージする
しゃっくりの原因は横隔膜の痙攣であることが多いため、猫の胸部(前足の付け根あたり)を優しく撫でたり、軽くマッサージすることで、緊張を和らげられます。
- 両手で包み込むようにして胸元を上下にさするようなマッサージが効果的です。
- 力を入れすぎると嫌がってしまうため、猫の表情や体の反応を見ながら、リラックスしてもらえるようなタッチを心がけましょう。
- 特に甘えん坊な猫や抱っこ好きな猫には、膝の上に乗せながらマッサージすることで安心感も与えられます。

3. 毛布で体を温める
猫のしゃっくりは、体の冷えが一因になっていることもあります。体を温めることで横隔膜や内臓の動きが穏やかになり、しゃっくりが治まるケースもあります。
- 毛布やフリース、湯たんぽなどを使ってお腹や背中を優しく温めてあげるとよいでしょう。
- 温めるときはやけどに注意し、適度な温度(40℃未満)で保温してください。
- キャットベッドに毛布を入れる、ホットカーペットの上に猫を誘導するなど、猫が自分で温まれる環境を作るのもおすすめです。
4. ご飯や水の摂取を一時的に控える
しゃっくりの直前に食事や水を摂取していた場合、胃腸の急激な動きや空気の飲み込みが原因となっていることがあります。そういった場合は、一時的に食事や水の提供を控えて様子を見ることも対策のひとつです。
- 無理にご飯をあげ続けると、しゃっくりが長引く可能性があります。
- 数十分~1時間ほど控え、しゃっくりが治まってから再度与えるようにしましょう。
- 食事の再開時は少量ずつ、ゆっくり食べられるように工夫すると再発防止につながります。
ねこ しゃっくり 止め方と予防法|生活習慣の見直しで安心
猫のしゃっくりの多くは食べ方や生活環境に起因します。繰り返す場合は、以下の点を見直してみましょう。
猫のしゃっくりを予防するうえで最も効果的なのは、日々の食事スタイルの見直しです。特に「早食い」「丸飲み」「食べすぎ」「冷たい食事」といった要素は、横隔膜を刺激する要因になります。

1. 早食い防止|専用食器や与え方を工夫しよう
猫は本来、一気に大量の食べ物を食べる動物ではありません。しかし、ドライフードを器に盛ったままにしておくと、空腹時に勢いよく食べてしまいがちです。
- 対策としては、「早食い防止食器(スローフィーダー)」の使用がおすすめです。凸凹のある構造が猫の食べるスピードを自然に遅くし、しゃっくりを起こしにくくします。
- また、1回の量を少なめにして与えることで、勢いよく食べる習慣自体を改善していくことも大切です。
- 食事のたびにしつこく催促する猫には、タイマー式自動給餌機の活用も有効です。規則正しいリズムで少しずつ与えることで、過剰な空腹を防げます。
2. 粒の大きいフードに変更|「噛む習慣」をつけて丸飲み防止
小粒のキャットフードは食べやすい反面、「噛まずに丸飲み」してしまうことが多く、結果として胃が急激に刺激されてしゃっくりを誘発します。
- 解決策としては、粒がやや大きめで固めのフードを選ぶことで、自然に咀嚼を促せます。
- 歯や口腔内に問題がない健康な猫であれば、「咀嚼が必要な粒形状」を選ぶことで食べ過ぎや早食いを防止できます。
- どうしても丸飲みする癖が直らない場合は、ふやかしてやわらかくするのではなく、むしろ粒を割って適度なサイズに調整して与えるのも一つの方法です。

3. 食事の回数を分けて与える|小分け給餌で胃の負担を軽減
一度にたくさん食べると、胃が急激に膨らみ横隔膜を刺激します。そのため、1日分の総量はそのままにして、食事の回数を増やすことが効果的です。
- 例えば、通常1日2回与えている場合、3~4回に分けて少量ずつ与えることで、胃への負担が軽くなりしゃっくりの予防になります。
- 「小分け食」は肥満防止にも効果的ですし、食後に走り回るような子でもしゃっくりが起きにくくなるというメリットがあります。
- 外出が多い飼い主さんには、自動給餌器やタイマー設定付きフードディスペンサーの使用もおすすめです。
4. 冷たい食べ物を避ける|常温のフードと水で胃腸を刺激から守る
冷えた食べ物や水は、猫の胃腸や横隔膜を直接冷やしてしまい、それがしゃっくりの引き金になる場合があります。特に夏場、冷蔵庫から出したばかりの缶詰などは要注意です。
- フードや水は常温(室温程度)にしてから与えるようにしましょう。
- 冷たい水道水を好む猫もいますが、しゃっくりが出やすい子にはぬるめの水(28~30℃程度)を試してみるとよいでしょう。
- ウェットフードを与える場合も、レンジでほんの数秒温めるだけで香りも増し、食いつきも改善します(※熱すぎないよう注意)。
これらの食事の工夫を実践することで、しゃっくりの頻度を大きく減らすことが可能です。また、猫の消化器や呼吸器への負担も軽減され、健康的な食習慣の確立にもつながります。
要注意!猫のしゃっくりが続くときは病気の可能性も
基本的に猫のしゃっくりは心配ありませんが、次のようなケースでは動物病院を受診しましょう。

受診が必要な症状
- しゃっくりが1日以上続く
- ぐったりして元気がない
- 呼吸が苦しそう
- 咳やくしゃみが伴う
- 目やに、鼻水、発熱など他の症状もある
考えられる病気
- 呼吸器疾患(猫喘息、肺炎など)
- 消化器疾患(胃腸炎、腫瘍など)
- 心臓病(肥大により横隔膜が刺激される)
- 脳神経系の疾患(稀ですが神経の異常でしゃっくりに)
まとめ|猫のしゃっくりは「様子見」+「予防」が基本
猫のしゃっくりは、ほとんどが生理現象で自然に治まるものです。しかし、「ねこのしゃっくりの止め方」を知っておくことで、愛猫の健康を守る一歩になります。
食事の工夫やストレス対策を通じて、しゃっくりが起きにくい環境づくりを心がけましょう。
そして、異変を感じたらすぐに動画を撮って獣医師に相談するのも賢明な判断です。

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